2009年10月14日

日本主導で、各国に生物保護区拡大の数値目標求める 生物多様性条約

 地球上の生態系保護などのために、日本政府が各国に「生物保護区の面積拡大」など具体的な数値目標を設定するよう求める方針を固めたことが11日、分かった。名古屋市で来年10月に開かれる第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)の、日本政府提案の素案として盛り込まれた。

 素案は「2020年までに生物多様性の状況を分析、把握する」などとしたうえで、2050年の目標に「生物多様性の損失を止め、現状より豊かなものにする」と明記している。目標達成の手段として「生物保護区の面積拡大」などを盛り込み、各国が具体的な数値目標を設定するよう求める方針だ。

 素案は15日から神戸市で開かれる国際会議で公表され、国内各界の意見を募ったうえで12月に条約事務局に提出する。

 条約の現在の目標は02年のCOP6で決まった「10年までに生物多様性が失われる速さを著しく減少させる」といった内容で、締約国各国が自国の取り組みを事務局に報告している。しかし、期限である10年は目前となったにもかかわらず、世界で約1万6900種いるとされる絶滅危(き)惧(ぐ)種が生きる環境は改善されていない。条約事務局は「目標は達成されなかった」と結論づけている。

 達成できなかった理由として、京都議定書の温室効果ガス削減のような具体的な数値指標がなかったことがあげられることから、日本政府は素案の中で、2020年までの目標と2050年の目標達成のために、「生物種を保全する面積の拡大」「農林水産業で、持続可能な方法で生産している比率を高める」などの9つの個別目標を提示する。

 さらに、湿地や海水温度の上昇により白化が危惧(きぐ)されているサンゴ礁に関して「回復できた面積や数」などを目標に設定することや、「固有種の生存を脅かす外来種の水際対策の強化」「有害化学物質の規制」「低農薬農業の推進」など32の達成手段をあげ、各国が独自で数値目標を設定するように求める。

 来日中のアフメド・ジョグラフ条約事務局長は「2010年目標は各国の主体的な取り組みがなく達成できなかった。次の目標では各国の具体的な取り組みが必要だ」と話している。(杉浦美香)

 ■生物多様性条約 地球上に存在する多様な生態系や生物種、遺伝子の消失を防ぎ、持続的に利用することを目指して1992年に採択された。日本など191の国・地域が加盟している。ただ、米国は知的所有権の保護規定が不十分などとして加盟していない。

+Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2009年10月14日 13:13 in 外来生物問題, 自然環境関連

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