2004年12月29日

「The Interviewave」 清水盛三インタビュー パート1

The interviewave

清水盛三インタビュー パート1
Morizo Shimizu Interview Part1

 深江真一さんがFLW TOURでアングラーオブザイヤーを獲得し、大森貴洋さんがBASSバスマスタークラシックを制した2004年。あまりに派手なこの二人の活躍に隠れてしまっているが、FLW TOURで二度にわたってトップ10入りを果たすなど、着実にその実力を発揮しはじめた日本人アングラーが存在する。このアングラーこそ、明るいキャラクターで抜群の人気を誇っている清水盛三さんだ。
 清水さんは2001年にBASSウエスタンオープンに初参戦して以来、2003年からはBASS CITGO バスマスターツアーとFLW TOURの両方にエントリー。明るいキャラクターとは裏腹に、アメリカ人でさえ敬遠する者が多いスケジュールをあえてこなす、ストイックなアングラーでもある。
 そんな清水さんに、昨シーズンの手応えと来シーズンに向けての抱負を語ってもらった。


<清水盛三 2004年シーズン・トーナメント成績>


1月21-24日  FLW TOUR第1戦 フロリダ州レイク・オキチョビー 194位
1月29-2月1日  バスマスターツアー第1戦 フロリダ州ハリスチェーン・オブ・レイクス 76位
2月5-8日  バスマスターツアー第2戦 アラバマ州スミス・レイク 56位
2月11-14日  FLW TOUR第2戦 ルイジアナ州アチャファラヤ・ベイジン 140位
2月26-29日  バスマスターツアー第3戦 アラバマ州レイク・ガンターズビル 80位
3月4-7日  バスマスターツアー第4戦 ミズーリ州テーブルロック・レイク 135位
3月10-13日 FLW TOUR第3戦 テネシー州オールド・ヒッコリー・レイク 3位
3月18-21日 バスマスターツアー第5戦 アラバマ州レイク・ユーファウラ 44位
3月25-28日 バスマスターツアー第6戦 サウスキャロライナ州サンティー・クーパー・レイク 113位
3月31-4月3日 FLW TOUR第4戦 アーカンソー州ビーバー・レイク 122位
5月12-15日 FLW TOUR第5戦 ケンタッキー州ケンタッキー・レイク 8位
6月23-26日 FLW TOUR第6戦 ニューヨーク州レイク・シャンプレーン 33位

(赤文字は決勝進出を果たした大会)

2004年シーズン バスマスターツアー総合成績 93位
2004年シーズン FLW TOUR総合成績 66位

basswave:渡米の準備で忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。2年めの挑戦となった昨シーズンのFLW TOURではトップ10、つまり決勝ラウンドへの進出が2回ありました。FLWの場合はオフィシャルスポンサーのシャツを着用するなど、決勝ラウンドへの進出がトーナメントにおけるひとつの目標だと思います。清水さんにとって、昨シーズンはどんな1年だったのでしょうか。
清水盛三(以下:清水):僕にとっては、いい1年やったと思う。当初は、5年間で上に行けたらええと思ってたからね。だから、シーズンがはじまったときも「このレイクでは何位くらいに入って」といった具体的な目標はなくて、あくまでも1年間を通して「アメリカのトーナメントに慣れて、学んでいけたらええな」と思ってた。強いていうなら、BASSかFLWツアーのどっちかで、1回でも決勝に残れたらええなという程度。目標は徐々に達成してきてると思う。なにより、全試合無事に出場できたことに満足してる。

basswave:その5カ年計画を2年めでクリアしたわけですね。昨シーズンは、FLW TOUR第4戦(オールドヒッコリー・レイク大会)で3位、第5戦(ケンタッキー・レイク大会)で8位と、2度のトップ10入りを果たしました。やはり決勝進出は嬉しかったですか?
清水:オールドヒッコリーの場合は、自分で開発したルアー(ワイルドハンチ)で結果を残せたことが、なにより嬉しかった。リール以外は自分が開発に携わったタックルやったし、そういう意味でもすごく嬉しかった。もちろん、3位という順位もね。

basswave:この試合で上位に入賞できた要因を教えてください。プラクティスでバスの動きを追えていたのでしょうか。
清水:BASSのスケジュールもあって、充分なプリフィッシング(プリプラクティス)ができなかった。でも、ある程度このプリでバスの居場所が見えてた。公式プラクティスは1日半しかできひんかったから、プリフィッシングで見つけてたんで助かった。

basswave:公式プラは実際には3日間あるわけですが、1日半しかできなかった理由は移動時間が原因でしょうか。
清水:そうそう。前の週にミズーリ州のテーブルロック・レイクでBASSの試合があって、僕は最初の2日間で試合が終わったから、金曜日には自由の身になった。で、ここからテネシー州のオールドヒッコリーまで移動して。本戦は水曜日からやったんやけど、なんやかんやで時間がかかってしまって。結局、試合前の1日半しか練習できんかった。

basswave:ということは、バスマスターツアーで決勝に残って日曜日まで競技に参加していると、次の試合はプラクティスがほとんどできないままトーナメントがはじまってしまうわけですね。
清水:パターンをつかめないままで試合に出なくてはならないケースは多いやろね。でもそれが、アメリカの試合の現実。なにしろ距離がハンパやないから、次の会場に移動するだけでホンマに疲れるし(笑)。オールドヒッコリーでは、プリフィッシングで見えたパターンとバスの動きを想定して、直前プラクティスと、あとは試合の中でアジャストしていく感じやった。それが上手くハマッた感じやったね。

basswave:オールドヒッコリーは、他のFLW TOUTのトーナメントウォーターと比較して小規模だと思います。それでも無数にクリークがはりめぐっていて、バスが集中するエリアを探し出すことは容易ではないと思います。
清水:僕のパターンはメインレイクのボディーウォーターではなかった。プラクティスはボディーウォーターを意識してパターンを捜したんやけど、行ってみたらボディーは濁ってた。だから、そのカレントを見ながらクリークをチェックする感じやった。

basswave:次にトップ10入りを果たしたのは、ケンタッキー・レイク大会でした。この大会では深江真一さんが最終的に5位、清水さんが8位に入賞しました。複数の日本人アングラーが同時にトップ10に入るというFLW史上初の一戦でもありました。
清水:もちろん深江に限らず日本人の成績は多少気になるけど、(決勝に残ったもうひとりの日本人アングラーが)誰かと思えば……また深江か、と(笑)。「やるな〜」とは思ったけど、正直なところ自分のことで精一杯やった。アメリカでは日本人同士ベッタリしてるように思う人が多いみたいやけど、僕はトーナメント中は他の日本人とはあまり話をしない。仲が悪いという意味ではなくて、トーナメントは一人で戦うわけやしね。なにより、自分のことだけであっぷあっぷ。この試合のときは、オールドヒッコリーで優勝できんかったんで、またチャンスが回ってきたという気持ちだけやった。だから、深江がどうこうというより、ベストを尽くすしかないと思ってた。

basswave:清水さんにとって、ケンタッキー・レイクのトーナメントは2回めですよね。
清水:そうなんよね〜。特にこのレイクは(2003年シーズンのトーナメントで)見えてたのに取りこぼしてたから、今年は何とかせなアカンと思ってたし。気合は入ってたね。

basswave:ケンタッキー・レイクは昨シーズンのFLW TOURにおいては、ニューヨーク州レイク・シャンプレーンに続くビッグレイクでした。なにしろ、サイズは琵琶湖の4倍近くあります。この湖は大きく分けてメインのケンタッキー・レイクとレイク・バークレーという二つのエリアがありますが、このようなビッグレイクを攻略する場合、清水さんのように両ツアーに参戦していると、プラクティスで全エリアをカバーするのも難しくなるはずです。
清水:ケンタッキーもバークレーも、僕の中では「メチャメチャよく釣れるレイクやな」という印象。2年前もビッグフィッシュを獲ってたしね。でも2年前は戦略の面で失敗した。両方のレイクにエリアを持ってて、初日にバークレーに行って失敗。2日めはケンタッキーのパターンを試せばよかったのに、この日もバークレーに行ってしまった。両方ともレイクがデカいから他の選手とのバッティングはないはずやし、両方使ってもバスを(マイエリアから)先に釣られてる可能性は低い。せやから、今年は両方のレイクを使って挑みたいと思ってた。それで今年は両方に行って、初日はそこそこのウエイトを持ってきて。2日めにウエイトアップできて決勝に残った。決勝でも同じパターンでやったんかなぁ。

冒頭のスケジュールからもわかるとおり、バスマスターツアーとFLW TOURの両トレイルへの参戦は時間的、地理的、経済的、肉体的、精神的な負担が大きい。このインタビューの後半では徐々に清水さんの「両ツアーに参戦するタフさ」が本音として語られるが、後編の前に「両ツアーに参戦する」ことがどれだけハードワークなのかを記しておきたい。
 
 まずBASSは2003年「30日間オフリミット制度」を導入、2004年から「ノー・インフォーメーション・ルール」も採用、参戦アングラーはBASS史上もっとも厳しいルールと対峙している(これらのルールの詳細はこちらを参照のこと)
 バスマスターツアーは3ヶ月で全6試合を消化するのに対し、FLW TOURは1ヶ月に1試合ペースで全6戦が開催される。またFLWにはBASSのような厳しいルールが敷かれていないため、試合が終ってすぐに次のレイクでプラクティスに入りることも可能だ。もちろん清水さんも好きなだけプラクティスができるはずなのだが、彼のスケジュールを見てわかるように、1月21日からスタートした彼の2004シーズンは、彼における第4戦であるFLW TOUR第2戦が終了するまで、毎週1試合というペースで進む。BASSの厳重なルールにより思うようにプリプラクティスが行なえないのはもちろん、過密な試合スケジュールが公式プラクティスさえも充分に行なえない状況を生んでいるのだ。
 たとえば、FLW TOUR第1戦フロリダ州レイク・オキチョビーから次戦が開催されるフロリダ州ハリスチェーン・オブ・レイクスは車で4時間ほどだが、ハリスチェーン・オブ・レイクスからアラバマ州スミス・レイクへは約8時間。スミス・レイクからルイジアナ州アチャファラヤ・ベイジンは、最低でも12時間の移動時間が必要。決勝ラウンドまで残った場合は1試合で4日間を消費することになるため、まさに休む間もないスケジュールとなってしまうのだ。
 清水さんにとっての4戦めとなるFLW TOUR第2戦から、5戦めとなるバスマスターツアー第3戦までは、なんとか2週間空いている。ところが、この試合以後はなんと6週間連続で毎週1試合をこなさなくてはならない。このスケジュールは過酷以外のなにものでもない。このハードスケジュールの中でのFLW TOUR第3戦3位入賞は、素晴らしい結果だといえるだろう。
 
 清水盛三さんが3位でフィニッシュしたオールドヒッコリー・レイクは、テネシー州の州都ナッシュビルの北東に位置する人造湖である。カンバーランド・リバーを堰き止めて完成したこのダム湖は、他のカンバーランド・リバー水系のリザーバーと同様にナッシュビル近郊のアングラーに人気の高いフィールドだ。大小の流入河川も多いのだが、ボディーウォーター自体はカンバーランド・リバーそのもので、クネクネと蛇行を繰り返したシェイプを形成している。表面積は79平方キロメートル(琵琶湖は695平方キロメートル)とアメリカのフィールドとしては小規模だが、入り組んだショアラインは約708kmという長さだ。
 また清水さんが8位に入賞したケンタッキー・レイクは、ケンタッキー州南西に所在するテネシー・リバーを堰き止めたリザーバーである。トーナメント・ウォーターとしては、ケンタッキーレイクに隣接するレイク・バークレーも含まれており、バークレーはカンバーランド・リバー水系のリザーバー(オールドヒッコリーの下流部にあたる)。ビッグザイスのスモールマウスバスが釣れるレイクとして知られており、大会が開催されるたびにビッグウエイトが続出する。サイズはケンタッキーが649平方キロメートル、バークレーが183平方キロメートルと大規模なリザーバーで、約3830kmのショアラインを形成している。

第2回に続く。

+オールドヒッコリー・レイク情報
+ケンタッキー・レイク
+清水盛三公式ウェブサイト「MORIZO WEB」

Posted by DODGE at 2004年12月29日 01:40 in Interviewave

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