2004年11月25日

古沢勝利インタビュー その2

PART2

古沢勝利インタビュー その2
Interview with Katsutoshi Furusawa #2

 前回に引き続き、「古沢勝利インタビュー その2」をお送りしよう(古沢インタビューは3部構成)。古沢さんがアメリカに渡った際の目標は!? 彼の目に映ったアメリカンレイクの状態とは!?

basswave:アメリカでの具体的な目標はあるのでしょうか? 最初の年は1年で終わらせたくないと思っていたはずですし、将来のビジョンもあると思います。いまはプランどおりに進んでますか?
古沢:う〜ん、あるのかなぁ。 ないかも(笑)。

basswave:えっ……。ということは、趣味で参戦しているワケですか?
古沢:ある、ある。あります(笑)。昨シーズンの目標はアングラー(オブ・ザ・イヤー)を獲ることでした。優勝もしたかったです。1年めはもうガムシャラに。ちょっと話はそれますけど、最初、アメリカに行くときはBASSのウエスタン戦に出ようと思っていました。でも結局バスマスターツアーのレベルになると、アメリカ南東部でやらなきゃならない。それで一度、試合を観に行ったんです。それで感化されて、BASSのエントリーをイースタン戦とセントラル戦に変えたんです。そんな刺激もあったので、1年めはガムシャラに。2年めからは、アングラーを目標にしたわけです。去年は第4戦が終わった時点でトップになりましたけど、最終的に踏ん張れませんでした。

basswave:ノンボーター選手の中には、全戦ではなく地元のレイクだけにスポット出場するアングラーもいるようですね。
古沢:中にはいます。でも、上位に入ってくるアングラーとはいつも顔を合わせてますよ。上位のアングラーというのは常連という感じですね。将来ボーターとして出るための勉強として(ノンボーターで)出ている人もいます。エバースタートはボーターで出てるけど、FLWツアーはノンボーターで出るという人もいますしね。

basswave:初年度が年間10位、2年めが年間8位、昨シーズンも8位という結果を残しました。これだけの成績を残せば、アメリカの人たちから来年はボーターで出場するべきだと言われると思うのですが。
古沢:それはあります。でも金銭的な部分が大きくて、クルマ買って、ボート買って転戦するとなると、いきなり大きなお金が必要になりますからね。いくら実力があっても、その条件をクリアするというのは大きな壁なんです。クラーク・ウェンドラントもずいぶん前から「おまえはボーターで出たほうがいい」と言ってくれてましたけど、金銭的な面をクリアできなかったというのが正直なところです。リック・クランなども結構プッシュしてくれましたけどね。

basswave:来シーズンもノンボーターで出場する予定なのでしょうか? ボーターでエントリーするという噂もあるようですが。
古沢:実は、ボーター部門で出るつもりです。ボートがレンジャーで、船外機がヤマハです。ノンボーターを何年やるというプランはなかったんですけど、最初の1年が終わったときにお金が貯まったらボーターで出たいと考えてました。最初のころは最低3年はノンボーターを経験する必要があると思ってましたけどね。今シーズンは1回優勝できました。金銭的に余裕ができたわけではないんですが「もうクラークに頼ってちゃいけない」って思いはじめたんです。それでクラークとFLW側に相談したら、「じゃぁ、レジュメ(履歴書)を作ってこい」ということになったんです。クラークも直接レンジャーに話をしてくれたり、リコメンデーション(推薦書)を書いてくれて、ある程度スムースに契約が進みました。僕の場合は、割引価格でレンジャーからボートを買って出場する契約です。最初から「ボートはもらえる」なんて考えてちゃいけませんよね。事実、ボートをもらえるアングラーはほんの一握りですから。

basswave:この3年間は早く過ぎ去った感じですか?
古沢:アッという間でしたね。

basswave:ボーター、ノンボーターを限らず、「アメリカに挑戦してみたい」というアングラーがこれから出てくると思いますが、古沢さんの経験からアドバイスはありますか?
古沢:失敗も含めて全部が財産なんですけど、人それぞれに失敗のかたちがあると思います。だから、僕はあえてその失敗を羅列しませんが、失敗することで経験を積んで一歩一歩進んだほうがいい。イジワルとかケチってるわけじゃなくて、「百聞は一失敗にしかず」なんですよ。失敗談を話しはじめたら、航空チケットの買い方からはじまりますから(笑)。もっとも大きな失敗といえば……言っちゃってますね(笑)、BASSの試合に出られなかったことですね。失敗というより、無知だった(爆笑)。結果的に「もっと勉強しておけばよかった、調べて予備知識をつけたほうがよかった」と思いました。日本人は確かに釣りは上手いかもしれない。でも謙虚な気持ちで臨んだほうがいいです。「俺はアメリカに向いてる」という考え方は危険です。根底から覆されるとみんな(日本から参戦しているアングラー)が言ってました。

basswave:「日本の湖は銀座状態でやってられない。だから、広いアメリカに行きたい」と考えているアングラーは少なくないと思います。しかしアメリカでも小さなフィールドで大会が開催されますし、フィッシングプレッシャーがキツいレイクも多いですよね。
古沢:そのとおりです。勘違いしている人が多いかもしれない。僕もアメリカに来て、それを目の当たりにして「日本と変わらないな」と感じたことが多々あります。いま、アメリカ人アングラーが攻略しようと心がけてるのは、「プレッシャーの中でいかに釣るか」ですからね。日本のプレッシャーの中で競えない人は、アメリカでも難しいでしょうね。有名選手からの威圧とかも考えると、入りたい場所に入れないこともありますし。これからアメリカはもっともっとプレッシャーが高くなると思いますし、もっとタフになっていくでしょう。これからは、若くて頭のキレる選手が増えるはずです。「巻き物が好きだから、僕はアメリカ向き」なんて言ってる人は次元が低いと思ったほうがいい。巻き物、フリッピングに関係なしに、人間的に、精神的に、堪え忍んで戦略を練ることができないと、日本人もアメリカ人も勝てない時代になると思います。アメリカだって銀座になりますし、マイエリアを主張して口論になることだってあるんですから(苦笑)。

basswave:特に現在のFLWは予選と決勝があるという方式ですから、最初の2日間になんとかして残ろうと無茶するアングラーも増えているのではないでしょうか。
古沢:「そこに入っちゃうの!?  いまからそっちに流して行くんだよ」という場所にも入ってきますね。いいエリアだと普段選手同士が保ってる距離感の半分以下の距離にズコーンと入ってきて、「俺だって試合が掛かってるんだ」なんて言い合ってます。そういう意味では、日本の大会で通用する人はアメリカでも通用します。日本でダメな人はアメリカに行っても芽が出ない可能性が高いと思います。

basswave:ただ、日本のトーナメントに染まっておらず、「アメリカで地盤を固めて時間をかけてやっていきたい」という人は、経験という意味で有利な点もあるようですが。
古沢:そうやって成功した人は……桐山(孝太郎)さんくらいですけどね。大森(貴洋)さんは日本である程度のベースがありましたから。(アメリカでゼロからはじめるケースは)金銭的にも難しいと思いますが、間違ったイメージが少ない分、上手くいく可能性はあるでしょう。

basswave:経費的な部分をお伺いします。実際には1試合どれくらいかかるのでしょうか?
古沢:エントリーフィー(650ドル)も含めて、30〜35万円くらいですね。年間6戦なんで、200万円前後。チャンピオンシップにクオリファイされると、さらに経費がかさみます。いままで獲得した賞金が480万円くらいなので、全然赤字ですよ。僕はまだノンボーターとはいえ、賞金圏内でフィニッシュしたのが多いし1回優勝してるので、まぁ、なんとかこれだけしのげましたけど、あの優勝がな
かったらヤバいくらいの赤字です(笑)。


第3回へ続く……。

(古沢さんは現在東京都八王子市にあるプロショップ「Flutter八王子本店」の支店長でもある。お店の詳細は:〒192-0015 東京都八王子市中野町2680-7 Tel/fax:0426-27-4130。古沢勝利オフィシャルサイト

Posted by DODGE at 2004年11月25日 13:31 in Interviewave

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