2004年06月11日

コジコジツウシン第1回後編

 度胸あるアングラー・小島宏さんがアラバマ州に移って早くも約半年が過ぎた。現在はエバースタートに参戦しているが、来夏からはBASS OPEN戦にも参戦するとか。「コジコジツウシン第1回」の後編です。

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basswave:エバースタートではイースタン第3戦が初出場になりましたが、もともとノーザン戦にエントリーされていたので、出場する意思は充分にあったと思います。それでも突然の連絡で出場できるようになったとき、どのような気分でしたか?

小島:ノーザン戦は今住んでいるアラバマ州からだとあまりにも遠くて、経費がかかりすぎるので断念してキャンセルしたんです。イースタン戦は、エバースタートの中でも人気が高くて、参加希望者がもっとも多いシリーズだと聞いていたので、正直言ってウエイティング・リストからの繰上げはないだろうとあきらめていました。そこへきて、サンティークーパー(第3戦)の直前に繰上げがあって。嬉しかった、正直(笑)。BFLとは違いFLW系のツアープロが出るのも知っているから、彼らとトーナメントを通じて湖で同じ時間を共有できること、そこから自分が学べることへの期待感……などでしょうか。しかもサンティー戦は昨年のBASSアマ参戦の際、2日めに5尾で20Lbオーバーを釣った思い出のあるところだったし、ワクワクしましたよ。

basswave:ということは、サンティー・クーパーについては少しは予備知識があったということですね。

小島:昨シーズンのバスマスターツアーで釣っているので、今回は初めてのレイクというわけではありませんでした。ですが、1年前とは水質とか水位がガラッと変わっていて、まるで違う湖に変身していました(苦笑)。去年は大雨が続いたこともあって水位は満水プラスαで、水質もフロリダステイン的な黒っぽい色か、マディーなエリアがほとんどでした。今回はキレイなところは日本のリザーバーのようにクリアだったし、ボトムも丸見えです。「ちょっと濁っているかな〜」というエリアでも琵琶湖南湖程度でした。今回のプラをやりはじめたときは、この激変に少し戸惑いましたけど、自分なりに考えて魚のいるエリアを見つけることができました。サイプレスツリーやワニなど独特の景色は、昨年に見ていたので特に違和感はありませんでしたよ。


basswave:具体的に、どんな感じで釣ったんですか?

小島:湖の状況は、ほぼポストスポーンでしたね。だけど、入念に探せばまだチラホラとベッドが残っているような状況。ビッグウエイトに絡むようなグッドサイズはほぼスポーニングは終えていた感じかな。僕のパターンはベッドのサイトフィッシングが40%、ベッドではないがスポーニング直後のサイトフィッシングが40%、あとはどシャローのグラスエリアにいる産卵を早めに終えたポストスポーンをバズグラビングで流してねらうパターンが15%、シェードをワッキーワームでねらうパターンが5%というプランでした。最後のは、釣れればデカいパターンです。細かいですかね?

 basswave:初エバースタートの感想は?

小島:単刀直入に言うと、日本のJBに照らし合わせればマスターズ的な存在だと思いました。FLWクラスの選手も何人か出てて、確実に賞金を稼ぎにきてるなというのが分かりました。実際、何人かは上位に残りましたしね。一方で、スポンサーもなくボートもけっこう古いけど、本当にバス釣りが好きで趣味が高じて……という感じのローカルオジサンもそれらのプロに混じって出ているという雰囲気です。FLWの運営側からしてみれば、そこがねらいどおりなんでしょうけど、実際の雰囲気もBFLとFLW の中間的存在ですね。選手のレベルは、上のほう何10人かは極めて高レベルです。その中にはツアープロだけでなく、開催レイクのハイレベルなローカルアングラーも含まれます。大抵の場合、優勝候補に絡みますよね。そういった人たちと腕比べできる場と考えれば、とてもやりがいのある試合だと思いますし、実際はなかなか手強いですよ。これを2、3年続けて、なんとか上位に食い込んでいくようなレベルを目指せば、アメリカのレイクの経験値がほとんどない日本人でもかなり鍛えられるでしょう。問題は「全戦にエントリーできるかどうか」という入り口部分ですね。狭き門です(笑)。参加しているほとんどの選手が前年度の40位以内のプライオリティ(優先権)や、メインスポンサーであるレンジャーボートオーナー枠で参加枠を埋めてしまうので、何もつてのない新規の選手がいきなり全試合にエントリーするのはかなり厳しい。それだけ人気の高いトーナメントだということでしょう。

basswave:そんなエバースタート初参戦のサンティー・クーパー大会では、27位に入賞しましたよね。おめでとうございます。

小島:サンティー・クーパー戦はホントに突然の繰り上げ参加だったので、ドタバタしていて、あっという間に試合が終わってたという感じです。僕自身もまさか出ることになるとはという感じでした(笑)。TOP20に入れたわけでもないので自慢するほどの順位じゃないですけど。これから頑張ります。

basswave:では、BFL大会の雰囲気を教えてください。

小島:とにかくみんなローカルアングラーです。「ワシはこの湖でバス釣りして20何年じゃ」みたいなオヤジアングラーがゴロゴロ出てる(笑)。しかも、エントリーフィーが安い分、賞金も少なくて10位ぐらいに入らないとガソリン代とか宿泊代とか出ないし、経費を考えると割に合わない。かといって、ローカルの凄腕を相手にワンデイトーナメントでよそ者が10位以内に入るのは極めて難しい。授業料だと思って、最初からエントリーフィーと経費の回収をあきらめて出るならスゴく勉強になるトーナメントですが、上位入賞の難しさはエバースタートやFLWと変わらないのでは……と思います。

basswave:現在アメリカでは数名の日本人アングラーが活躍されていますが、小島さんから見て、彼らに対してライバル意識や特別な感情は持たれていますか?

小島:まったくありません。アメリカ人選手へも同じです。そういった他選手へのライバル感情などは一切なくて、むしろ湖や魚のことだけをいつも考えていたい。対人的なことは何も考えたくないという気持ちが強いですね。日本と違って、アメリカのプロには僕と同じようなスタンスの人が見受けられますよ。バスフィッシングは人と戦う競技だとは思っていません。大自然と自分自身の1対1の戦いです。その「戦い×参加選手人数=順位」だと思っています。それぞれの結果を比べ合っているだけで、人間同士が戦うわけじゃない。そうでしょ? とにかく、僕はあくまで自己開発のためだけにやっているので、誰かよりも有名になりたいとか、目立ちたいとか、いい格好をしたいとか、微塵も思っていませんから、どうか他の方も一方的な敵対心やライバル意識を持たず僕のことは放っておいてください……という感じです(笑)。日本でプロ活動をしていたころは仕事だからという責任感から、スポンサーに絡んだプロモーションを進める上で自己主張を意識した時期も少しはありましたが、今はまったくないですね。それよりも自分のバスアングラーとしての能力を高めることだけに全力を注ぎたいです。

basswave:大会に出ていないときは、なにをされているのですか?

小島:このままでは、一文なしになってしまい釣りもできなくなりそうなので、少しは収入を得るために色々準備をしています(笑)。とりあえず今まで自分が培ってきた知識をフィードバックして何かを世に提供できるようなことを考えていますが、なにせ本人がアメリカに住んでいるので他の人の協力も必要だし、いろいろと準備が大変です。もう少ししたら詳しくご紹介できる時がくると思いますので、僕のホームページ www.hiroshikojima.com を時々チェックしていて下さい……と、宣伝しときます(笑)。

basswave:今後の予定を教えてください。

小島:秋からのBASSのOPEN戦にボーターとして参戦します。サザン地区のワンカテゴリーのみですけど、幸運にも3試合すべてにエントリーできました。出られることになったんで、今度は参戦資金をどうするかで頭がいっぱいです(笑)。OPEN戦は2年越しで毎年ウエイティングリストだったんです。3年待ってようやく出場の権利を手に入れたわけです。BASS系へは初めてのボーター参加なので、今からワクワクしますね。


+hiroshikojima.com


(本文上の2つの写真は、小島さんがサンティー・クーパーで撮影したものです。シャローのサイプレスツリーとバックウォーターのシャローグラス・エリアの写真。それ以外は小島さんが2001年度U.S. OPENに参戦した際、basswaveスタッフが撮影したものです)。

Posted by DODGE at 2004年06月11日 14:16 in コジコジツウシン

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