2004年06月10日

コジコジツウシン第1回前編

 突如としてスタートいたします、小島宏さんの「コジコジツウシン」。ただいまアメリカでトーナメント奮闘中の小島さんを追っかけます。第1回は「アメリカに渡った話」の前編です。

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basswave:お久しぶりです。まず最初に、アメリカに行こうと思い至った経緯を教えてください。

小島宏:父はまったく釣りをしないどころか、釣りのことは何も知らない人間なのですが、きっかけは父ですね。どういうことかというと、僕が小学生のとき、父が勤めていた家電メーカーがアメリカに工場を立ち上げ、このため父が単身赴任で数年間アーカンソー州に住んでいました。13歳の時(1984年ごろ)家族で一度アーカンソーへ父を訪ねて旅行したことがあって、その際に会社のアメリカ人の方が私を釣りに連れて行ってくれました。これが、その後「またアメリカでバス釣りがしたいなぁ」と思うきっかけとなりました。ほぼ同じ時期に日本にローランド・マーチンが来たりして日本のプロトーナメントがはじまったので、中学生にして学年末の文集に「将来はバスプロになりたい」と書いていました(笑)。「日本でもアメリカみたいなバスのトーナメントがはじまるんだ、アメリカに行かなくても日本でできる」という夢を信じ20年が過ぎ、気がつけば30歳過ぎの日本のバスプロになっていました(笑)。でも、僕個人にとっては、残念ながら日本の“バスプロ”は、日本独自の道を歩みはじめて、アメリカのものとは異なる姿で完成したと思います。日本でのプロ活動に不満や不足があったわけではありませんけど、僕が子供のときからやりたかったこととは少し異なっていたのは事実です。「仕事だから」と頑張って何年かやってきましたが、30歳を過ぎ、どうしても自分のやりたいことが我慢できなくなり、日本のプロ活動を辞めて海を渡ったというのが本音です。日本にいては経験できない釣りがあるし、それを知って自分をもっと高めたいという気持ちがあります。13歳のときに味わったアーカンソーでの衝撃が、僕を再びアメリカへ呼び戻したのかもしれませんね。

basswave:実際に海を渡ってみて、苦労したこと、楽しいこと、新しく発見したことはありますか?

小島:いっぱいありすぎてすべて答えられないですが……(笑)。苦労は単純に金がなくて苦労してます(笑)。日本で培ってきたプロ活動をやめてきたわけですから、それまで日本であったスポンサー契約の収入などもないし。金のことは、開き直ってなるべく考えないようにしています。反面、釣りに行けば毎回が新たな発見、感動の連続で刺激がありすぎですね。この半年ばかりだけでも、日本に居た頃の数年分に相当するペースで新しい釣りを学びましたよ。

basswave:英語は得意なほうなのでしょうか?

小島:13歳にしてアメリカ文化“バスプロ”を目指したので、頑張ったつもりです(笑)。国語、算数、理科、社会はやる気ナシでしたが、英語だけは勉強していました。得意科目が英語、美術、技術家庭というワケのわからん生徒でした。僕はテレビが嫌いで芸能人の名前とか全然知らないんですが、日本でプロ活動をしていたころも家ではいつもケーブルTVの英会話チャンネルか、洋画を2ヶ国語音声の英語で見ていました。おかげで今はアメリカのテレビを見ても、半分ぐらい……は理解できているでしょうか。そんな程度です。

basswave:日本人アングラーがアメリカでトーナメントに参戦する場合、以前はBASSが主体でした。現在ではFLW系に出場する選手もいますが、小島さんは団体を問わず出場しようとお考えですか?

小島:特にこだわりません。ただ、試合のレベル、つまり参加選手のレベルが高い試合に出て、自分を試し鍛えたいというだけです。

basswave:なかには、「BASSのほうが伝統があるのでこっちを主体に出場する」という選手が、日米を問わずいると思いますが、そのような考え方もお持ちですか?

小島:つまりBASSのほうがハイレベルだということですね。僕もそうではないかと少しだけ思っているところはあります。というのは、これは自分にとっても長年の疑問だったから、それを検証する意味で昨年ワンシーズン、BASSの最高峰であるバスマスターツアーにアマチュア(ノンボーター)で参戦しました。フルで応募したんですけどツアーのアマは1試合ずつの抽選なので、出られたのは5試合でしたけど。それで感想は、やはりツアーの選手のレベルは想像以上で、究極でした。彼らとの同船経験が今回の僕の渡米をさらに加速させたと思います。トーナメントのレベルを決めるのは、間違いなく参加選手の顔ぶれです。あとは、どれに誰が出ているのか、ということですね。これは将来、変動的でもあるでしょうから一概に決めつけることはできませんけど、現時点ではバスマスターツアーに優秀な選手が集まっているように思います。

basswave:「BFLからはじめよう」と思い至った経緯は?

小島:「はじめよう」ではなくて、出られる試合がそれしかなかったからです(苦笑)。BASSもFLWもいろんな条件やコネをクリアしなければ、一般から突然プロ部門に参加することはなかなか難しいようです。これはアメリカ人でも同じです。特にFLW系はボートによって優先基準が設けられていて、僕のボートは無名の中古なので基準に満たない。いきなり金もコネもない外国人が一人ぼっちで来てすぐに出れる試合となると、とりあえずはBFLぐらいしかないと思いますよ。僕の場合、トーナメントに出る目的はプロモーション活動などではなくて、あくまで自分の能力を高めることだけなので、ローカルアングラーばかりが集うBFLはむしろ興味深い存在でしたし、一度見ておきたかったという気持ちはありました。

つづく……

+hiroshikojima.com


(小島さんがバスを持っている写真は、彼がサンティー・クーパーにプラクティスで訪れた際に撮影したもの。小島さんの自己最長寸記録の25in. 約62.5cm。それ以外は小島さんが2001年度U.S. OPENに参戦した際、basswaveスタッフが撮影したものです)。

Posted by DODGE at 2004年06月10日 17:55 in コジコジツウシン

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