2004年11月26日

ブラックバスは網の外?外来種被害の法対策骨抜きか

 アライグマやブラックバスなど、海外から日本国内に持ち込まれた生物(外来種)による生態系破壊を防ぐため、今年6月「特定外来生物被害防止法」が公布されたが、問題の発端となったブラックバスを駆除を含む規制対象から外そうと、釣り具業界や議員連盟がロビー活動を展開。

 これに対し「同法が骨抜きにされる」と批判する自然保護団体との対立が表面化している。このため環境省は26日、ブラックバスだけを個別に検討する小委員会を設置することになったが、期限内に結論を出せるか微妙な情勢だ。

 同法は、生態系破壊や農業被害をもたらす外来種の輸入や飼育、野外放棄を罰則付きで禁ずるもので、必要に応じて駆除も行う。環境省は来年6月までの施行に向け、規制対象種を選定中だ。

 日本国内で繁殖しているブラックバスは、北米産のオオクチバスとコクチバス。このうち“引き”が強く、釣り人に特に人気が高いオオクチバスは、沖縄県を除く全国で生息が確認されている。ルアー・フィッシングブームで全国の湖沼に密放流され、フナやタナゴなどの在来魚を食い荒らすなど、大きな環境問題になっている。

 このほか、同じく北米から輸入され農作物被害をもたらすアライグマや、マニアの間で高額取引されている輸入種甲虫類が、新たな生態系破壊の原因として指摘されている。

 対象種に指定されても釣り自体は規制を受けないが、釣り具メーカーなどで作る日本釣振興会(会長・麻生総務相)は、この“ブラックリスト”からブラックバスを外すよう、強力な働きかけを進めている。

 日本釣振興会によると、ブラックバス釣り人口は約300万人、関連市場は約1000億円にのぼる。経済的影響を考慮した環境省は、オオクチバスを切り離して評価することにし、専門の検討会を26日に設置、指定の是非を議論することになった。

 同振興会は「在来魚の減少は水環境の悪化が原因」と、駆除の可能な規制には強く反対。超党派の国会議員で作る釣魚議員連盟も「バス釣りは、釣った魚を再放流する“キャッチ・アンド・リリース”が特徴で、命の大切さを教える教育にも役立つ」と、同様の主張だ。

 来年6月までの施行には、1月までにリストを作る必要があり、合意できるかどうか微妙な情勢。指定には与党の承認と閣議決定が必要で、「政治力で外される」(濁川孝志・立教大教授)とみる関係者もいる。

 日本自然保護協会などは規制すべき種として354種を公表しているが、第1陣で指定されるのはアライグマやコクチバスなど40種以下の見込み。また、外国産クワガタ類や北米産のミドリガメなども「広く飼われており、影響が大きい」として、リストから外れる公算が大きく、自然保護団体は反発を強めている。(読売新聞)

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Posted by jun at 2004年11月26日 10:35 in 内水面行政関連

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