2004年09月12日

琵琶湖の「嫌われ者」を商品化 外来魚を使った商品開発が活発

 琵琶湖のブルーギルやブラックバスを使った肥料や炭などの商品開発が活発化している。環境や観光、福祉とも結びつけ、生産を増やしたり、販路拡大に取り組む企業もあり、琵琶湖の「嫌われ者」が地域活性化に役立っている。 

 滋賀県新旭町のたい肥製造「美濃部」の作業場。かくはん機に投入された黒っぽい土状のものがベルトコンベアーで運ばれ、長さ約5ミリの粒状に加工されていた。手に取ると生臭い。
 同社は今春から、ブルーギルやブラックバスを使った特殊肥料「びわ湖フィッシュパワー」の本格製造を始めた。減農薬農業と障害者雇用の両立を目指すNPO法人(特定非営利活動法人)「びわ湖ベジタブルロード」の一員で、会員の有機栽培農家から「外来魚でカルシウム豊富な有機肥料ができないか」と持ちかけられ、開発した。
 外来魚は県の回収分などを使い、昨年は約1トンから特殊肥料約5トンを製造、完売した。今年は外来魚約30トンを引き取る予定。美濃部武彦社長(60)は「ホウレンソウの葉の厚みや色つやがいいと農家に好評だった」と話す。
 外来魚から農作物用の成長促進剤を開発したのは、守山市の紙器製造「山本紙工」。立命館大との連携でブルーギルに寄生する微生物を使い、ブルーギルのタンパク質を短時間で分解、植物の成長を促進するアミノ酸などを取り出すことに成功した。
 事業を本格化するため、1日から草津市の立命館大BKCインキュベータに入居した。山本篤穂社長(36)は「琵琶湖の外来魚は一つの資源。さらに研究開発を進め、ブルーギルで環境保全や循環型農業に貢献したい」と話す。
 開発した商品の販路拡大に取り組んでいる企業もある。彦根市の炭製造「紙炭」と親会社の紙製品製造「鈴木松風堂」(京都市中京区)は、県東北部工業技術センターと共同で今年6月、ブラックバスやブルーギルを炭化した脱臭剤を開発した。秋の観光シーズンに向けてJTBと共同で、県内の宿泊施設に、売店での販売や客室用脱臭剤に使ってもらう計画を進めている。商品の箱詰めなどは地域の障害者施設に委託することも検討しており、「滋賀の環境や観光、福祉などの面でも役に立てれば」(鈴木松風堂)。
 外来魚は十数年前から、主に食材に検討され、一部のレストランやホテルでメニュー化されたが、「悪者のイメージが強く、消費者に受け入れられなかった」(食品加工販売の鮎家)。
 県水産課によると、昨年の琵琶湖レジャー利用適正化条例の施行を機に「生態系保護に役立つと売り出せば企業イメージの向上にもつながるため、外来魚を使った商品開発が活発化してきた」という。しかし、「外来魚はゼロにしようと駆除しており、今後、原材料として安定確保ができなくなる可能性もある。その上で事業展開を」(同課)としている。(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2004年09月12日 12:31 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連

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