2004年08月04日

第34回BASS CITGOバスマスター・クラシックの経過 その2


 多くの日本人ファンの期待のもと、大森貴洋さんがクラシック出場3度めにしてその頂点に立った。初日首位、2日め2位、最終日に1位へと返り咲き、大森さんはバスフィッシング界の歴史に名を刻んだ。ここでは第34回BASS CITGOバスマスター・クラシック初日から最終日までの経過をお届けしよう。

 7月30日、ノースキャロライナ州レイク・ワイリーにて、The 34th CITGO Bassmaster Classic presented by Busch Beer初日の火蓋が切って落とされた。晴天に恵まれたこの日、ディフェンディング・チャンピオンのマイケル・アイコネリを2位に押さえてトップに立ったのは、今年でBASS参戦12年めを迎えた大森貴洋さんで、16Lb2ozをウエイインした。2位のアイコネリとは3ozしか離れておらず、しかもアイコネリは7Lb4ozのビッグフィッシュを含めて4尾のみのウエイインだった。3位にはディーン・ロハスが入ったが、5尾中1尾がデッドフィッシュ。この他、トム・ビッフル(5位)、ゼル・ローランド(6位)、アーロン・マーテンス(8位)も持ち帰ったバスの内、1尾をデッドフィッシュでウエイインしている。
 そして注目すべきはポイントは、初日のトップ5が1Lb以内にひしめくという混戦だったことである。大森さんが16Lb2ozで5位のビッフルが15Lb2oz。いくら首位で初日を終えたとはいえ、まったく油断できないウエイトだったのだ。またこれら上位5名の内、ほとんどのアングラーが同一エリアでパターンを組んでいたという。となると、2日め以降もさらに混戦となるのは間違いなかった。
 この日、大森さんは早い時間帯にリミットメイクに成功し10尾のキーパーをキャッチしたというが、大森さんとは対照的に2位につけたアイコネリは早朝にビッグフィッシュをヒットさせ、結果4尾のみのウエイインとなった。アイコネリの不調の原因と考えられるのがスペクテイターボート(観戦者のボート)で、時間帯によってバラツキはあるものの、30〜50艇がアイコネリの周りに浮いていたという。前年度のクラシック優勝者だけに、間近で観戦したいという気は分からないでもない。ディフェンディングチャンピオンがこのような状況に遭うのはクラシックの常ともいえるもので、必ずしもこれだけが原因ではないものの、2年連続優勝というのは1976〜1977年のリック・クラン以来存在しない。
 なお、今季AOYのジェラルド・スインドルは38位、地元キャロライナ州出身アングラーのデイビー・ハイトは31位タイ、ジェイソン・クインが7位、ダスティン・ウィルクスが14位、クリス・バームガードナーは43位、マーティー・ストーンは10位に入った。

 バスマスター・クラシック2日めは、レイクが減水したことが影響したためか、全体的にウエイトが低下。初日は19名がリミットメイクに成功したものの、この中から2日間連続でリミットを揃えられたのは9名。これにより最終日に進出するトップ25のカットが怪しくなってきた。初日が混戦だったため、2日めにウエイトを落としたアングラーとウエイトを上げたアングラーとの差がなくなり、試合展開にますます緊張感が走った。
 初日の15Lb8ozから10Lb12ozと約5Lbのウエイトダウンになったものの、順当な結果を出してこの日の首位に立ったのは、初日3位につけたディーン・ロハスだった。2位には大森貴洋さんが入った。
 ロハスはいつくかのいいエリアを廻っていると語るが、「ホントにいいエリアはタカヒロとシェアしている感じで、ここにいるときは彼が常に私から見える範囲にいた。だから、彼のスペクテイターと私のスペクテイターが時々重なって、150艇くらいに膨れあがっていた」と明かしたが、自分の釣果が落ち込んだことを彼らが原因であるとは訴えなかった。
 大森さんは「お互いに(バスを取り合っているから)死活問題になるのはわかっている。勝つために(同じエリアで)釣っているわけで、勝てたら最高の場所だけど、負ければ最悪だね」と述べた。この日大森さんは9Lb8ozをウエイインし、ロハスとの合計ウエイトの差は10ozであることから、「どちからがいいバイトを得れば、それが優勝へと繋がるだろう」と明言。この時点で優勝を争うのは自分とロハスであるのを感じていたのだろう。
 3位には地元出身のジェイソン・クイン、4位にはアーロン・マーテンス、5位にも地元出身アングラーのマーティー・ストーンが入った。
 そしてこの日最大のニュースとしては、マイケル・アイコネリがオフリミット・ウォーターで釣りをしていたために、2日めの競技からディスクオリファイになったことだ。彼は自分が立ち入ろうとしたエリアがオフリミットなのかをトーナメント・ディレクターに電話を入れて確認した。ディレクターは「きちんと伝えたつもりだったが、彼は取り違えたようだ」と言い、アイコネリはディスクオリファイとなった。彼が釣っていたエリアにはオフリミットを示すフラッグが立っておらず、判断が難しかったという(普段の大会ではフラッグが立っている)。結果として彼は22位タイに入っため、最終日には進んだ。
 また最終日へ進出するトップ25の中にはフェデレーション枠から勝ち上がってきたタッド・テイクス(19位)とラス・レイン(22位)が入った。
 今季BASSのみならず、FLWでも最好調だったグレッグ・ハックニーは35位、ジェラルド・スインドルは52位で大会を終えた。

 そして最終日、大森さんは初日、2日めと釣り続けたエリアへと直行した。このエリアは初日からディーン・ロハスとシェアしていた小さなスポットで、なぜこのエリアが彼らをこれほど引きつけたのか地元出身のアングラーも理解できなかったという。それでも彼はマイエリアとマイゲームを貫き通し、大森さんが13Lb8oz、ロハスが9Lb1ozをウエイインした。結果、大森さんはロハスの真横で釣り勝ち、そして初のビッグタイトル奪取を成し遂げた。
 クラシック初優勝を果たした大森さんは優勝賞金の20万ドルをどうするのかと訊かれ、「賞金は最高なんだけど、このトロフィーがほしかった(笑)。お金は老後のために……いや、釣りの経費で飛んでくだろうね」と冗談交じりに答えている。彼が使用したルアーは、ゲーリーヤマモト社ヤマモト・クリーチャー、ズーム社のブラッシュホッグ、ランカールアー社のジグに、バグリー社のバルサB2だったという。
 大森さんのトータルウエイトは39Lb8ozで、2位入賞のアーロン・マーテンスは36Lb6oz。この両名にできた大きな差は初日のウエイトにあった。大森さんが初日16Lb2ozをウエイインしたのに対し、マーテンスは13Lb3oz。この3Lbの差が最終ウエイトにまで響いている。マーテンスは2002年に開催された第32回バスマスター・クラシックに続き2度めの2位を味わうこととなった。
 マーテンスは「タカヒロがビッグフィッシュをライブウェルから出したとき、『私のクラシックは終わったな』と感じた。またやられたって感じたよ」と苦笑した。またマーテンスも3日間、橋脚を攻略するパターンで通したようだ。マーテンスがメインに使用したルアーは、ハンドメイドの“ロードランナーのようなルアー”とのこと。
 3位にはElite50でAOYを獲得したケビン・バンダム(メインルアーはストライクキング社シリーズ6クランクベイト)、4位にディーン・ロハス(ルーハー・ジェンセン社スピードトラップ、ウェイブワーム社ティキチューブとフロッグ)、5位にケリー・ジョーダン(レイクフォーク・タックル社ベイビーフォーク・クリーチャーとリング・フライ)が入賞した。
 なにより、今回のクラシックは日本人初、外国人初の優勝者という新たなる歴史を刻んだ。そして、歴史は塗り替えられるものでもある。来年度は大森さんの二度めの優勝、あるいは他の日本人の優勝を期待したいものである。

Posted by DODGE at 2004年08月04日 11:23 in 海外トーナメント:BASS

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