2004年04月15日

新しい森との共生探る 赤谷川の生物多様性復元計画−−新治村で全国初/群馬

 ◇国、住民、民間団体
 これまでの“自然保護”の枠を超えた新しい自然との共生を図ろうと、林野庁関東森林管理局、新治村の住民グループ、日本自然保護協会(本部・東京)の3者が、プロジェクト「赤谷川・生物多様性復元計画」を共同で進めることを決め、このほど協定を結んだ。国と地元住民、自然保護団体が協力するプロジェクトは全国初という。同局は「開発か保全かの二者択一ではなく、体験学習や資源の有効利用などに総合的に取り組み、地域社会と森林の持続性ある共生を目指したい」としている。【藤田祐子】

  現地は、新治村相俣や同猿ケ京に広がる国有林約1万ヘクタール。川古温泉、猿ケ京温泉に隣接する。88年にリゾート法の重点整備地区指定を受け、川古ダム建設や民間企業のスキー場建設計画が持ち上がった。
 一方、国の天然記念物イヌワシの営巣などが確認され、日本自然保護協会や住民団体が建設反対運動を展開。00年1月に企業がスキー場建設計画を中止し、同9月には建設省(当時)がダム計画中止を決めた。
 こうした経緯を受け、林野庁は「新時代の共働の枠組みを構築したい」として、昨年4月から地元住民や同協会と国有林の活用方法を協議。科学的根拠に基づく保全と復元▽地域生態系を痛めない活用▽行政と地元、民間団体の協力関係の構築――を柱とし、1年がかりで総合企画をまとめた。地元住民も活動の母体となる「赤谷プロジェクト地域協議会」を設立し、協定締結にこぎつけたという。
 プロジェクトは、現地を6地域に分け、それぞれにテーマを設定。原生林が残りイヌワシの繁殖が確認されている「赤谷源流地区」は自然の原状回復を第一とする▽自然歩道などが既に整備されている「旧三国街道地区」は歩道の整備を進め、自然観察路などとして活用する▽人里に近い「仏岩地区」は木材を活用した伝統技術継承の場を目指す――など、現状に即して保全と活用を組み合わせた。今年度は動植物の生態調査などをする。
 同協会の田畑貞寿理事長は「協会としても画期的な試み。『参加したい』という会員も既に30人近くおり、協会内に継続的に参加するワーキングチームを作ってかかわっていきたい」と話す。
 長く地元の自然保護に取り組んできた同協議会の安田剛士事務局長(沼田市)は「赤谷地区は動植物の宝庫。生物の多様性を守り社会と共存する未来型の森林管理を目指したい」と話している。(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-群馬-毎日新聞

Posted by jun at 2004年04月15日 10:57 in 自然環境関連, 内水面行政関連

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