2004年03月23日

BASS CITGOバスマスターツアー第5戦 初日から最終日までの経過

 今季BASSバスマスターツアーも終盤戦に突入し、アーリー・スプリング・パターンがメインとなる時期へと移行している。ツアー第5戦が開催されたのは、アラバマ州レイク・ユーファウラ。この湖ではいままでに数多くのトーナメントが開催されている。

 今シーズンのツアーではスミス・レイクのように情報量の乏しい場所もあれば、今回のユーファウラのように非常に情報量が多く、加えて多数のアングラーが過去にこのレイクで釣った経験があるなど、多種多彩なトーナメントウォーターが選ばれている。ここユーファウラでは数週間前にエバースタート・イースタン第2戦が開催され、最終的にはシャロー・フィッシャーが上位を独占するかたちで幕を閉じた。季節的な要素を優先して考えると、フリッピングやサイトフィッシングが主要な戦術になると予測される。アングラーはビッグウエイトの期待に応えられたのだろうか。

 初日は南西の風が強く水温があまり上昇しなかったために、サイトフィッシング合戦とはならなかったようだ。これに代わり、風をブロックできるブッシュやウイードベッドを攻略するフリッピング・パターンで、このメソッドを用いた者が初日の上位に食い込んだ。
 フロリダ州在住のマーク・ロジャースが、初日のビッグフィッシュとなる9Lb6ozを含む31Lb3ozをウエイインし首位に立った。2位から順にロン・シャフィールド、デニー・ブラウワー、ゲーリー・クライン、チャールズ・ハマック、デイビッド・フリッツ、そして7位のベン・マツブまでが20ポンドを超えるグッドストリンガーを持ち帰った。
 ロジャースのウエイトは抜きにして、2位のシャフィールドと12位の清水盛三さんのウエイトを基に初日の成績をアナライズしてみたい。まずシャフィールドは23Lb8oz、清水さんが18Lb11oz。この差はおよそ5ポンドである。ところが清水さんの順位から下に5ポンド下げてみると、51位のスコット・ルークに当たる。2位から12位、12位から51位がそれぞれ5ポンド差だが、その差の傾斜は2位から12位の方がキツい。つまり、初日50位以内につけたアングラーは2日めのウエイト次第で、決勝へ進出するのもまだまだ可能な状況だったわけだ。逆に、12位周辺の選手がトップ5のアングラーを引きずり降ろすのは難しい。天候ひとつでウエイトに差が生じる状況にあり、2日めはデッドヒートになるだろうと予想された。
 その他の日本人アングラーでは宮崎友輔さんが14位、大森貴洋さんが28位、田辺哲男さんが98位、桐山孝太郎さんが108位につけていた。

 トーナメント2日め、マーク・ロジャースは初日のようなビッグウエイトを持ち帰ることができず、2尾で5Lb15ozをウエイイン。4位に後退した。代わって首位に立ったのは、初日に22Lb14oz、2日めに23lb12ozと安定したビッグバッグを持ち込んだBASS生涯獲得賞金額1位のデニー・ブラウワーだった。第3戦、第4戦と息子のチャド・ブラウワーが目覚ましい成績(両大会ともにトップ12入り)を残していたが、今大会では親父のデニーが猛攻を振るっている。ところが彼は「ここまで連日いいウエイトが獲れるとは思っていなかった」と、パターンが噛み合っていない心情を語った。
 デニー・ブラウワーは過去10年間にレイク・ユーファウラにて開催された大会で、2003年サザン・オープン戦で27位、2003年バスマスターツアー戦78位、2002年バスマスターツアー戦優勝、1996年アラバマ・インビテーショナル戦85位、1994年アラバマ・インビテーショナル戦108位といった成績を残している。ブラウワーは「『1度優勝しているから、パターンを知ってるだろ?』とよく言われるが、ユーファウラに関しては今日使ったメソッドが明日通用しない可能性が高い。だから、またゼロからやり直す気持ちで望まないと、上位をキープできない」と語っている。2位につけたロン・シャフィールドも「今日“残してきた”バスが明日もあの場所にいるか、まったくわからない」と述べている。ここはビッグウエイトが飛び出す可能性の高いレイクであると同時に、困難なレイクでもあるのだ。
 また2日めは全体的にウエイトが落ち、初日はノーフィッシュがゼロであったが、この日は5名がノーフィッシュでトーナメントを終えている。
 決勝に進出したのは、デイビッド・フリッツ、マーク・ロジャース・スキート・リース、グレッグ・ハックニー、ビンク・デサーロ、ベン・マツブ、ゲーリー・クライン、マーク・デイビス、アルトン・ジョーンズ、ピーター・スリベロスの12名。
 日本人アングラーは宮崎友輔さんが28位、大森貴洋さんが29位、清水盛三さんが44位、田辺哲男さんが91位、桐山孝太郎さんが140位でと惜しくも決勝に残ることはできなかった。

 風は弱まったが天候に変わりはなく、大会3日めがスタートした。気温が25℃と初夏をイメージさせる湖上で、アングラーはシャローにさしたバスを攻略した。
 12名のみで競技されたが、それでも釣果に大きな差が生じた。ベン・マツブがこの日のトップウエイトとなる23Lb10ozを持ち込んだ。2番めのウエイトはビンク・デサーロの16Lb9ozである。その差は約7ポンドだ。また3名が1尾のみのウエイインとなり、バスを見失わず釣れ続けているアングラーが限定されてきた。
 この日、11Lb2ozとウエイトを落としたデニー・ブラウワーは、2日までのウエイトが功を奏してマツブになんとか2オンス差をつけて首位をキープ。パターンが見えているブラウワー、マツブ、デサーロのトップ3が最終日にせめぎ合うだろう。なぜなら、4位のロン・シャフィールド、5位のスキート・リース、6位のグレッグ・ハックニー(6位までが最終日に進む)らは日々ウエイトを落としている。一方で、デサーロは連日平均17ポンドを持ち帰っている。「私の陣取っているエリアは20ポンドを釣り上げられるポテンシャルを持っている。ただ目の前のモノにピッチング、フリッピングするだけ」と順調なようすをアピールしている。バスマスターツアー・ルーキーのデサーロだが、この大会までは不本意な成績でフィニッシュしている。最終日にブラウワーとマツブをまくることができるのだろうか。

 ビンク・デサーロとデニー・ブラウワーの間には5ポンドの差があった。連日タフになってゆくユーファウラで5ポンド差をひっくり返すのは至難のワザである。しかし最終日、デサーロはできる限りの芸当をやってのけた。なんと怒濤の24Lb5oz(最終日のトップウエイトであり、4日間の最大ウエイトの2番めに相当)をウエイイン、トータルを76Lb11ozに押し上げた。
 上位争いをしていたベン・マツブは15Lb5ozをウエイイン。マツブのトータルは72Lb15ozとなり、デサーロは事実上、ブラウワーとの一騎打ちとなった。
 これで会場の雰囲気が一気に変化した。デサーロはツアー初参戦のルーキーで、片やブラウワーは百戦錬磨の熟練アングラーである。しかもブラウワーは3日めにウエイトを落としているので、パターンを再調整できていなければ、運気を落としてしまう。だが、ブラウワーは19Lb2ozをウエイイン。なんと3オンス差でデサーロを凌ぎ、自身15度めの優勝を成し遂げた。
 「なんかこの差ってスゴいよね。こんなに僅差なのは苦しいよ。ウエイインをする列に並んでいて、若いヤツ(デサーロ)が24ポンドも持ってるんだよ。私はどれだけないと勝てないか瞬時にわかったけど、ホントに勝てるのかどうか微妙だったし、苦しかった。今日の結果はベン・マツブのウエイトにかかっていると思っていた。彼は昨日23ポンドを持っていたからね。また同じくらいビッグウエイトを持っていたら、絶対負けたと思っていた。帰着したら、誰かがベンは14ポンドくらいだよと教えてくれた。ホッとしていたら、目の前でビンクがビッグストリンガーを持っていた。たとえ5ポンドのリードがあったとはいえ、あのウエイトを見たらドキッとしたよ。優勝がわかったとき、デサーロに勝ってしまったことを悪く感じた。彼はスゴくいいアングラーで、熱心だ。もし彼が勝っていたら、彼のキャリアを彩らせただろう」と語った。
 これに対しデサーロは「準優勝できて気分はいいが、悔しさもこみ上げてくる。でも事実は受け止めたい。デニーが優勝で、私が2位というのは夢の中の話だった。信じられないよ。彼のようなスター選手と闘った結果の2番だからね」と初のツアー戦入賞を述べた。
 その他、ベン・マツブが3位、スキート・リースが4位、ロン・シャフィールドが5位、グレッグ・ハックニーが6位に入賞した。

 BASS CITGOバスマスターツアー2004第6戦(最終戦)は、サウス・キャロライナ州サンティー・クーパー・レイクを舞台に3月25〜28日の日程で開催される。

Posted by DODGE at 2004年03月23日 15:40 in 海外トーナメント:BASS

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