2004年03月03日

バスマスターツアーの新ポイントシステム導入とその後

 昨年10月30日、BASSはオフィシャルサイトを通じて今季CITGOバスマスターツアーに新ポイントシステムを導入すると発表した。当サイトはトップニュースで簡単に触れた程度で、大きく取り上げることもなかった。ところが、ツアー前半の3試合が終了して総合順位を見てみると、この新ポイントシステムがその順位変動に多分に関係しているのを発見。そこで今回は、この新ポイントシステムのおさらいをするとともに、現在の順位変動を見ていこう。

 さて、今シーズンからツアーの選手枠は175名から150名へと減少した(オフィシャルは150名で競技すると発表したが、実際には158名が出場中)。そのため、例年通りのポイントシステムであれば、1位が150点、2位が149点、3位が148点とワンポイントずつ減っていく。ところが、今季からは通称「300ポイント・スコアリング・システム」を導入。これは、バスマスターツアーだけでなく、エリート50、オープン戦にも採用される。
 では、この新ポイントシステムがどのようにカウントされるのかを説明しよう。
 1位から5位までを5点ずつ減らし、6位から10位までを4点差、11位から15位までを3点差、16位から99位までを2ポイント差、100位以下に1点が与えられる。わかりやすく、それらのポイントを書き出すと、
1位:300
2位:295
3位:290
4位:285
5位:280 (ここまでが5点差)
6位:276
7位:272
8位:266
9位:264
10位:260 (ここまでが4点差)
11位:257


と続く。
 今までであれば、1位と5位の差は5ポイント。ところが、今季からはいきなり20ポイントも差がついてしまう。BASSオフィシャルによれば、「上位入賞者を高評価するための方法論」であり、「いくつかの大会で不本意な成績を残したとしても、1〜2戦で上位入賞すれば、ジャンプアップの可能性がある」と新ポイントシステムの展望を伝えている。
 また大会日程のうち、それぞれの日の首位獲得選手には5ポイントのボーナスも与えられる(ツアー戦で初日から最終日まで4日間トップで優勝した場合、そのアングラーは300 + 20ポイントを獲得する)。「たとえば初日と2日めをトップで折り返しても、優勝できない選手がいる。そういう選手も称賛に値するし、彼らの努力に報いたポイントを与えたい」とBASSは述べている。
 
 これは大会日程すべてを通してアングラーの活躍をAOYポイントに反映させる試験的ポイントシステムだといえる。数年前からBASSの大会にカット制が導入されたが、これはESPNの傘下に入ったBASSが視聴者を優先させた配慮であった。大勢のアングラーが一斉にウエイインしては、観る側、特に釣り人以外の視聴者は選手の名前を覚えられない。しかしトップ12やトップ6だけで競技されれば、追いかけるのも簡単である。
 体力を消耗させて4日間戦い抜いた6位の選手と前半の2日間で終わった13位の選手が、賞金は違えど、ポイント差がたった7点というのは「アングラーへのリスペクトが欠けている」とBAAC(BASSの選手会)がBASSオフィシャルに訴えた。その結果、「上位入賞者にはそれなりのポイントを分配すべき」という方向性が考慮され、「300ポイント・スコアリング・システム」が採用された。

 では、この新ポイントシステムが実際にどれだけの効果があったのかをツアー第2戦終了時と第3戦終了時のAOYスタンディングをもとに検証したい。
 たとえば、第3戦で4位入賞を果たしたチャド・ブラウワーは、285ポイントを獲得。総合順位では24位から1位へとジャンプアップした。5位に入ったマイケル・アイコネリは年間33位から2位へ、3位でフィニッシュしたケビン・バンダムは年間80位から23位へと急浮上した。
 一方で、不本意な成績で終わったアングラーは急転直下する。年間2位だったクリス・バームガードナーは32位に、8位だったマーク・カイルは46位に、17位だった桐山孝太郎さんは65位へと転落した。
 確かに、上位入賞した選手は称賛されるだけのポイントが得られるが、下位でフィニッシュした選手の落差は激しい。

 そして、このポイントシステムの換算方法はすでに問題を引き起こしていた。ツアー第2戦は波乱の大会だった。ノーフィッシュが続出し、歴史に残る最悪の試合となった。158名中27名が最初の2日間をノーフィッシュで帰着し、予選で敗退。128位タイの選手が48ポイントを受け、130位タイ(ノーフィッシュ組27名全員)が46ポイントを獲得した。
 これが問題となった。ノーフィッシュ選手がなく、誰もがバスをウエイインし通常の順位が決定した場合、最後のアングラーは当然158位になる。第1戦では参戦者全員がウエイインを行なったため、全員にポイントが分配された。46ポイントをゲットしたのは133位の選手である。しかし「第1戦で134位以下の選手もバスをウエイインしたにもかかわらず、第2戦で連日ノーフィッシュで終わった選手よりポイントが少ないのはあまりにおかしい」と論議を呼んだのだ。
 そこでBASSはBAACと協議を持ち、ノーフィッシュ選手へのポイントの分配を検討。ツアー第3戦公式プラ最終日に「2日間、ノーフィッシュで終えたアングラーはポイントを受け取れない」と決定したという。加えて、第2戦のポイントも再換算され、最新のAOYスタンディングが発表された。
 たとえば、田辺哲男さんは初戦を133位でフィニッシュし、41ポイントを獲得。第2戦では2日間ノーフィッシュで終わり、46ポイントを獲得したかに見えた。BASSサイトに当初掲載されていた田辺さんの第2戦終了時の総合成績は87ポイントだった。第3戦では133位に入り43ポイントを得ているため、本来であれば130ポイントが田辺さんの総合成績になっているはず。ところが、BASSサイトに掲載されている田辺さんの成績は84ポイント。すなわち、第2戦の46ポイントが引かれた修正後の成績になっている。

 この「300ポイント・スコアリング・システム」は非常にややこしい。だが前述したように、現在下位に甘んじている選手でも後半の3試合の結果次第では、まだまだ年間順位を上げられる可能性が残っている。田辺哲男さんは第3戦終了時点で総合156位だが、彼にもAOYを奪取するチャンスはまだ残されているだけに、まだまだ目が離せない。
 バスマスターツアー第4戦は3月4〜7日の日程でミズーリ州テーブルロック・レイクを舞台に開催される。

Posted by DODGE at 2004年03月03日 16:40 in 海外トーナメント:BASS, 海外フィッシング事情

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