2004年03月02日

BASS CITGO Bassmaster Tour第3戦 初戦から最終日までの経過

 バスマスターツアー第3戦が、2月26〜29日の日程でアラバマ州レイク・ガンターズビルを舞台に開催された。ガンターズビルは無数に点在するアラバマ州のレイクのなかでもトップクラスに入る有名レイクで、今までにBASSの大会が12度開催されている。バスの魚影が濃いだけでなく、他のアラバマのレイクと比較し、ビッグフィッシュが釣れる確率が高いのも特徴のひとつ。たとえば、最後にこの湖で開催された2002年度バスマスターツアー大会では、ケリー・ジョーダンが4日間で83Lb11ozをウエイインしている。このときは4月であったため、スポーニングに絡んだパターンが多用されたが、今大会はどうだったのであろうか。

 ビッグフィッシュの可能性があるといっても、今回のトーナメントが開催されたのは2月下旬。まだまだウインターパターンが尾を引いている。ところが、プリスポーンのバスを捜しだしているアングラーも多い。となると、ビッグウエイトを持ち込むアングラーとタフな状況に翻弄される下位のアングラーと間には大きな差が生じるだろう。
 初日は、プリスポーンどころか、真冬を思い起こさせるほどの事態が発生した。アングラーが朝、モーテルのドアを開けると、辺り一面が雪景色となっていた。天気予報によると、朝の最低気温は氷点下で、日中でも5〜7℃前後にしか上がらなかったという。
 このタフコンディションを乗り切り首位に立ったのはケビン・バンダムで、26Lb3ozをウエイインした。これを単純計算してみる。26Lb3oz x 4日間とすると、104Lb12oz。ケリー・ジョーダンの記録を楽に上回ってしまう。果たして、ビッグウエイトは最終日まで続くのだろうか。
 昨年のクラシック・チャンピオン、マイケル・アイコネリが24Lb3ozで2位に入り、ラリー・ニクソンが3位、以下デイビッド・ワートン、チャーリー・ハートリー、ゼル・ローランド、デイビッド・フリッツと錚々たるメンバーが上位を独占した。
 初日、日本人アングラーの清水盛三さんは62位、田辺哲男さんは86位、大森貴洋さんが104位、宮崎友輔さんは112位、桐山孝太郎さんが130位と、残念ながらよい成績で2日めを迎えることができなかった。

 2日めも気温は上昇するどころか、状況はさらに厳しくなった。初日の雪と雨が影響したためか、バスの活性も低下。全体的にウエイトが下がり、リミットメイカーが減少したと同時に、ノーフィッシュのアングラーも増加した。
 「前日よりバイトは少なかったが、プリスポーンバスが上がってくるエリアで釣っていた」と語るマイケル・アイコネリは、5尾で24Lb6ozをウエイイン。トータルを48Lb9ozに伸ばし、予選ラウンドをトップで折り返した。2位にゼル・ローランド(47Lb15oz)、3位タイにチャド・ブラウワー(46Lb12oz)、3位タイにステイシー・キング(46Lb12oz)、5位にケビン・バンダム(46Lb5oz)、6位にジョージ・コクラン(46Lb1oz)と非常に僅差なウエイトが出そろった(ちなみに、7位に入ったマイク・オートンは41Lb14ozなので、6位とは差がついている)。この成績を見るかぎり、3日め以降はトップ6名のデッドヒートが予測された。
 日本人アングラーは、大森貴洋さんが74位、清水盛三さんは80位タイ、宮崎友輔さんは97位、田辺哲男さんは133位タイ、桐山孝太郎さんが149位でフィニッシュ。今大会では日本人アングラーが予選を通過することはなかった。
 そして、第2戦終了時の暫定年間総合1位のスコット・サッグスも70位に終わった。

 天候が目まぐるしく変化した今大会。3日め(決勝ラウンド初日)は、濃霧の影響で開始が2時間半遅れるという事態が発生。ところが、霧の後にはたいてい好天に恵まれる。事実、この日もスタート後は午後にかけて太陽が顔を覗かせ、暖かく落ち着いた陽気がレイクを包んだ(天候には恵まれたが、アングラーはスペクテイターボート(出場選手をマイボートで追いかけて、間近で観戦しようとする者)に悩まされたらしい)。
 それでも釣果は下がることなく好調だった。3日めはトップ12名、最終日はトップ6で競技されるのだが、前述した2日めのトップ6名(アイコネリ、ローランド、ブラウワー、キング、バンダム、コクラン)の勢いは衰えることを知らず、この6名がそのまま最終日へと進み、スーパー・シックスとなった。ただし、この6名中で変動があった。2日め6位だったコクランが1位に、1位だったアイコネリが5位に、2位だったローランドが6位に後落した。
 首位で最終日を迎えるジョージ・コクランは、BASSにおいて6度の優勝経験があるが(うち2回はバスマスター・クラシックでの優勝:1987年と1996年)、1998年10月に開催されたインビテーショナル戦以来、優勝から遠ざかっている。
 ステイシー・キングは2002年3月に開催されたセントラルオープンで優勝しているが、彼の上位入賞は決まってプリスポーン時が多い。
 
 そして最終日、ジョージ・コクランは、ど肝を抜く驚異のビッグウエイト、29Lb11ozをウエイイン。トータル99Lb10ozで見事ツアー第3戦の頂点に昇り詰めた。ちなみに、29Lb11ozは今大会4日間を通じての最大ウエイトであり、コクランは4日間連続で20Lbオーバーを持ち込んだ唯一のアングラーでもあった。
 このウイニング・ウエイトがどれだけスゴいのかというと、なんとBASSにおける4デイ・トーナメントの歴代最大ウエイトの2位に値する。歴代1位は2001年1月にディーン・ロハスがフロリダ州レイク・トホで樹立した108Lb12oz。(この大会では歴代1位、4位、7位の記録が同時に誕生した)。
 さらに、コクランのウイニング・ウエイトのスゴさはこれで終わらない。今大会最終日の結果を見て驚いた。コクランの99Lb10ozに対し、6位のゼル・ローランドが60Lb10oz。その差はナント33Lbである。最終順位
 コクランは「今回、私はよくやったと思う。長い間、好成績を残していなかったからね。歳を重ねると、『また勝てる力が残っているのか』と不安に感じるんだよ。みんなは忘れたかもしれないが、昔、私も優勝したこともあった(笑)。でも、今回の優勝は今までの優勝より意味が大きい。今年で54歳になるんだ。(ベテランと若手が入り交じる現在の)バスマスターツアーで勝ちたかったんだ。ここ5、6年調子がよくなかったから、気分も下がり気味だったけど、この優勝で自信が出た。スポンサーにも顔向けができるよ」と満面の笑みで答えた。
 コクランのパターンは、「6年前にアーカンソー州在住のジィさんに習った」というジャークベイト(Strike
King社のStrike King Wild Shiner----ケビン・バンダムが開発
)のストップ&ゴーで、5〜8ftのグラストップで5秒ほどポーズさせるメソッドだったという。

 ジョージ・コクランは、自身のオフィシャル・コメントとして「アーカンソー州在住のジィさん」と発表しているが、BassFan.com のスクープによれば、このジィさんとは、なんとラリー・ニクソンのことだという。その昔、ニクソンの激励によってプロアングラーへと転向したコクランは、以来、ニクソンから数多くのことを学んできた。今大会でもコクランがニクソンにパターンについて相談すると、「ジャークベイトで釣りなさい」と薦められたのだとか。
 コクランは言う。「ラリーとはいつも情報交換している。私が持っている情報を彼に教えてあげる際、私はまったく惜しまないんだけど、いつも彼の方がたくさん情報をくれるんだ」。彼がステージ上で「アーカンソー州出身のジィさん」と語ったとき、おそらくニクソンだけが心の中で爆笑していたことだろう。そして、心からコクランの優勝を祝福していたに違いない。

Posted by DODGE at 2004年03月02日 18:55 in 海外トーナメント:BASS

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