2004年02月05日

バスマスターツアー第2戦開催湖「スミスレイク」を検証する

 バスマスターツアー第1戦が終了してわずか1週間。2月5〜8日の日程で、早くも第2戦がアラバマ州スミス・レイクを舞台に開催されようとしている。では同大会が佳境であり、今シーズン一番の難所であるのかを説明していきたい。

 まず、今回のトーナメントウォーター、スミス・レイクはメジャーなフィールドとはいえず、まったく情報が少ないフィールドなのだ。「Smith Lake」とサーチエンジンに入れて検索してみるが、バス釣りに関する情報が非常に少ない。一方でストライパー(ストライプトバス)の情報はたくさん出てきた……。そもそもBASSがこの湖で最後に大会を開催したのは1968年というから、約35年前。それ以前は1967年に1回と、BASSは今までに2度しかこのスミス・レイクでトーナメントを開催していないのだ。しかも、それ以降ここでメジャーなトーナメントは一切開催されておらず、ある意味“シークレット化”した状態だったのだ。 
 かつてBASSが発行した1997年のBASSMASTER CLASSIC REPORT誌によると、このスミス・レイクで初めてBASSトーナメントが開催されたのが1967年。ちなみに、この大会はBASSのトーナメントとしては第2回めとなるが、このときのウイナーはジェラルド・ブランチャードで、ウイニングウエイトは42Lb。翌年の1968年に開催されたB.A.S.S. デキシー・インビテーショナル大会(同じくこちらは通算7回め)では“T”のキャップでお馴染みの、あのビル・ダンスが48Lb3ozで優勝を飾っている。ところが、BASSのサイトでは当時の詳細な資料が掲載されていない。 
 なにしろ、当時はBASSの創成期。1967年大会の参加者はわずか12名で賞金総額7080ドル、1968年大会が20名の参加で賞金総額6215ドルである。どちらも3日間の大会だが、細かいルールやバッグリミットなどは不明。かつてのBASSトーナメントのバッグリミットは7尾だったが、優勝者が何尾ウエイインしたのかなどもわからないのだ。 

 “今シーズン一番の難所”と書いたのは、この状況でもわかるように、このスミス・レイクに関してはあらゆる意味で情報量が極端に少ないためだ。メジャー大会が開催されていないこともあり参考記録となるウエイトも不明、地元のアングラー以外に釣行する者が少ないので、遠方のアングラーがレイクの状態を知る手立ては皆無。アラバマ州といえば無数の自然湖、人造湖、河川が点在している。わざわざ情報量の乏しいレイクを選んで釣行する必要がないことも、この状況に拍車をかけているのだ。 
 この結果、このレイクに関する情報はほとんど出回っていないといっても過言ではない。ゆえに、選手は自分のプリプラクティスとプラクティスのみから情報を得なくてはならないわけだ。今シーズンから加わった「ノー・インフォメーション・ルール」、そして「30日間オフリミット・ルール」もあり、今季のスケジュールが発表されるや否やアングラーが向かったのは、このスミス・レイクだったと伝えられている。なぜなら、第3戦から最終戦までのフィールドは、いままでに幾度となく大会開催湖として使用されてきた有名レイクばかりで、ある程度の予測がつく。ところが、スミス・レイクに関しては、ツアー参戦者の中にも同湖の釣りを経験した者がほとんどいないためだ。 
 そして、一番のポイントとなる部分がバスのサイズである。スミス・レイクにはラージマウスもいるのだが、断然スポッツ(スポッテッドバス)の方が多い。メインパターンがスポッツ攻略になるのは間違いない。またこの湖ではスポッツのワールドレコードである8Lb15ozが釣り上げられていて、ある時期はスポッツ・レコードの上位5位を独占していたほどのレイクなのだ。 
 その後、このスポッツのポテンシャルに目をつけた西海岸のレイク管理局は、スポッツをスミス・レイクから西海岸のフィールドに移入している。それほどこの湖におけるスポッツのポテンシャルは高いと言われていたらしい。 
 ところが、実際のスミス・レイクでは、スポッツのグッドサイズが釣れにくくなっているという。そのため、漁場管理局はスロットリミット制度を設定。13in未満のスポッツは持ち帰りを奨励。また13〜16inのスポッツはリリースを義務づけた。つまり、13in未満、および16inを超えたスポッツのみがキープできることになる。 
 そして、このルールは大会中も摘要される。開催される場所によって異なるが、多くの場合BASSルールでは原則として12in以上がキーパーサイズとなっている。しかし、今大会は地元のレギュレーションに沿って開催されるため、16inを超えたバスがキーパーサイズとなった。しかも16in超えたスポッツをこのレイクで釣るのが、どれだけ難しいことか……。一説には、半分以上のアングラーがノーフィッシュになりかねないという。 
 興味深いのは、現在のところBASSがキーパーサイズを12inにするのか、16inにするのかが不明な点だ。公式ウェブサイトには12〜13inのバスを持ち込むアングラーが多いだろうとの記事が掲載されているのだが、別の記事では16inオーバーのためノーフィッシュが多いだろうと書かれている。こういったオフシャルなルールは、大会前日のブリーフィングでトーナメントディレクターからアナウンスされるので、これに関しては詳細が分かり次第レポートすることにしよう。  
 ちなみに、FLWでは、これまでにローカルのスロットリミットが大会に採用されたケースが存在している。2002年のFLWツアー・チャンピオンシップが開催湖されたルイジアナ州のクロス・レイクではローカルルールとして定められたスロットリミットにより、12〜14in、そして17in以上のバスがウエイインできるという異例のルールが採用されていた。また、BASSとの協議によってローカルルールが特例として変わったケースもある。たとえばワシントン州のコロンビア・リバーでは、通常バスのバッグリミットは3尾、釣っていいバスの数が5尾となっているが、トーナメント参加者のみ5尾のキープと無制限に釣ってもいいという特例が認められている。このため、監視員から見分けやすくするため、アングラーたちはコンテストバンドと呼ばれるラバー製のバンドを船外機の装着することが義務づけられている。 

 さて、スミス・レイクはアラバマ州北部に横たわるシプシー・リバーをダムでせき止めたクリアー・ウォーターなリザーバーだ。ロック、ハンプ、スタンプといったスポットも多いが、やはりディープ攻略がメインメソッドになるだろう。なぜなら、先日開催されたハリスチェーン大会とは異なり、この地域はまだ冬であるためだ。スポッツはもともとディープレンジを好み、さらにラージマウスより低温で産卵するためシャローを意識したバスも中にはいるだろうが、気温などを考慮すればディープのウインター・パターン主体の展開が予想される。この展開となって粘り強さを発揮するのは、レイク・シャスタやレイク・オロビルなどクリアーでディープレンジが多いフィールドで鍛え上げられた西海岸勢だろう。スキート・リース、アーロン・マーテンス、ブレット・ハイト、ジョン・マーレイ、マーク・タイラー、ルーク・クラウセンなどが上位に入る可能性は高い。また、西海岸でディープレンジでのスポッツを数多く経験している桐山孝太郎さんや、もともと西海岸を拠点としていたジェイ・イエラスやマーク・リスク、ゲーリー・ヤマモトにも注目したいところだ。 

 なにより、第1戦で不本意な成績を残した選手は、この第2戦で上位入賞を果たさないかぎり、第3戦以後に勝ち上がるのは至難のワザである。一方で、第1戦の上位入賞に続き、第2戦も好成績を残せたアングラーは、次節以降の展開が非常に有利になる。これらすべての要因を考慮した場合、田辺哲男さんへの期待が俄然高まる。田辺さんはリザーバーにおけるパターンフィッシングの猛者であり、スモールクランク、スピナーベイトのスローロールの第一人者でもある。冬のリザーバーとなれば、相手がスポッツであろうと先鋭的な攻防を見せてくれるはずだ。また初戦を135位で終えているため、第3戦以降へ望みを繋げるためにも、今大会ではなんとか上位に入賞してほしい。 
 ちなみに天候は初日から雨の予報で、最終日になんとか晴れるとのこと。予想最低気温は氷点下で、日中でも10℃前後だそうだ。はたして、バスマスターツアー史上最低ウエイトの更新となるのか!?

Posted by DODGE at 2004年02月05日 19:50 in 海外トーナメント:BASS, 海外トーナメント:その他

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